「体」で唄う
「体」
合計9ステージをこなすための「のど」の準備をするのはもちろん、
今度はレコーディングとは違う、お客様に「観せる」ための
「ステージング」、そう、「体」でも唄わなければいけないと思ったんです。
ある言葉が僕の脳裏にずっと残っていました。
去年のコロムビアでの納会、2007年12月28日、
ゴーオンジャーのレコーディングを数日前に終えたばかりの僕は、
関係者の方々へのご挨拶も兼ね、そこに招待していただきました。
会場に入ると、僕が小さい頃から憧れていた、スーパーアーティストの
方々が大勢いらしてました。
あー、刺激が強すぎるぅー。鼻血が出そう…。( ̄□ ̄;)
この時ばかりはただのミーハーでしたね、今もそうなんですが(笑)
そこでゴーオンジャーOP作曲の岩崎さんとレコーディングの時以来、お会いしました。
納会らしく、お酒を交わしながら、あーじゃこーじゃ歓談をしました。
その会話の中で...
「ゴーオンジャーね。あの曲はシンプルだし、キメが多いから、
かなーり遊べるよ。ステージでお客さんと一緒になってね!d(-_^)」
なるほど!岩崎さんが言いたいのはこういう事ですね!
サビの2音爆進シンプルフレーズ(エンジン全開ゴーオンジャー♪のとこね)
と豊富なキメ。(「GO-ON!」とか。)
いわば歌い手と聞き手が共通して盛り上がれるポイントが多い曲。
そのためにわかりやすく盛り上がれるサビに合う、
シンプル且つダイナミックに動けて、「炎神戦隊」だから車を彷彿とさせる、
「フリ」が必要!
岩崎さんのこの言葉に導かれるように、
家族を審査員に、振り付けを考えはじめたのです!d(>_< )
まずは「エンジン全開~♪」のところですよね。
手を体の脇で車輪のように回して、「エンジン全開ゴーオンジャ~♪」
「何か機関車みたい。スチーム全開ゴーオンジャー♪アハハハ!」
...NGでした。
つぎっ!左手でギアを1速に入れたりバックに入れたりしながら
「エンジン全開ゴーオンジャ~♪」 「地味。はい次。」
NGでした。
...あんね~、やっぱね~、ハンドルしかなかったとですよ!!
プレミア発表会や色んなステージをご覧の方はご存知かと思いますが、
ハンドル、ハンドル、みぎ~、で、うえ~♪
というフリが満場一致(有効票3名)で可決されたのです!!m(_ _)m
あとは特筆すべきはあそこですかね、
Aメロの「乗ってけ正解!はじけて満開!」のとこ。
あれはですねー、レコーディングの時に、何となくノリ切れてない僕に対して、
「サーフィンしてる感じで、『乗って』ってやってみて。」
という、ディレクター氏の指示を聞いて、誰も見ていないブースの中で、
左から右へ、手でざっぷ~ん、と波を作りながら、
「の~~ってけ、せーぃかーーぃ!」とやったのが、最後まで残ったんですね。
あとのフリは~、自由です!
毎回その日の天気や気圧、体調によって変化します。(嘘だっちゃ♡)
こうして、「ゴーオンジャー」を歌う「体」の動きが決まった!!
そしてその振り付けを体に叩き込むために来る日も来る日も踊りました。
ある時は家族の前で、
「ちがーーーう!もっと動きにキレを出してー!!」と罵倒されながら、
ある時は、正月、実家の山形で親戚一同の前で、
おかんのニヤニヤしてる顔を横目で見ながら、
またある時は、全身鏡代わりに、居間の窓ガラスに自分を映し練習していると、
目の前の線路をちょうど電車が通り、見られてないかな~?と心配しながら、
また、車両トラブルで停車し、練習している目の前に乗客が止まり、
部屋の中で汗だくで踊っている成人男性(僕です)と目が合って、
お互い気まずさで急いで目をそらしながら...。( ̄ε ̄;)
こうやって「体」が歌を唄えるようになりました。
でも、今でもまだまだだな~、ってステージの後はいつも思いますよ。日々精進!!
これで3つそろった!?「装備!」「体!」....「心」...。
日々大きくなる「プレッシャー」は、6月の梅雨前線のように
どっかりと停滞して、依然小雨を降らせていました...。
不安を残したまま、今までより速く、でも濃密に時間は過ぎていったのです。
そして、運命の2008年1月19日がやってきてしまったのでした...。